1章
真紅の中量2脚ACが、漆黒の重量2脚ACに急接近する。
真紅のACは飛び漆黒のACの頭上からマシンガンを浴びせる。
旋回能力の低い漆黒のACは旋回しきれず真紅のACに背後をとられる。
背後を取った真紅のACは左腕のムーンライトを空中で3回当てた・・・
漆黒のACは崩れ落ちた・・・
WIN シン・レイザー
対戦時間 28秒
使用武器 マシンガン ブレード
「ふぅ」
過去の対戦データを見ていたジャンクは、今日がレイヴン試験の日だった。
こんなデータみたって試験で受かるとは思っていなかったが、最後に過去の
祖父を見ておきたかった。レイヴンとしてではなく一般人として・・・
試験には前半筆記、後半実践となっていた。
筆記は楽なものだった。過去のデータや祖父や父の話ででてきたような
簡単な用語や危険回避システム(簡単に言えばテクニック)が出題されただけだった。
「今日はおもしろそうなのはいたか?」
試験監督のゼルフは監視員のポタに聞いた。
「まだ前半しか終わってないのでわかりませんよ。後半が始まらないと・・・
ですが今年はシンの孫のジャンク・レイザーが受験してますよ」
とポタ
「そうだな、ジャンクか・・・楽しみだ。」
後半は射撃テスト、対MTテスト、対ACテストとなっていた。
前半で大半の受験生は落とされてしまうので、残っている受験生は
18人だった。
「ナンバー9か・・・やな数字だな」
ジャンクのナンバーは9だった。
射撃が始まったが、ジャンクにとってこんな簡単なテストはなかった。
57/60 スコア 5700
「まぁまぁだな。暫定トップだろ。このスコアは」
ジャンクは自信に満ちていた。他の受験生はACに乗るだけでびびっているような
有様だったからだ。
次の対MTテストも上々だった。
そして最後の難関、対ACテスト。このテストでは試験官のレイヴンと戦うことに
なっているが、この成績によってレイヴンが決まるのだ。
レイヴン合格者は年によって数が変化する。ときには0名の場合もある。
対ACテストでは、相手のACを倒せばいいというわけではない。
それにいままでこのテストでACを倒したのは歴代でただ一人、シンしかいない。
ジャンクは倒せると思っていたが、ほとんどの場合は戦いの内容で決まる。
自分の番がくるまで暇だったジャンクはほかの受験生と話してみることにした。
「おい、そこの」
はじめてにしては礼儀のない挨拶だったが、ジャンクにはそれぐらいしか
できなかった。
「名前は?」
ジャンクが聞くと
「ゼン・ストロイン」
と一言だけしゃべった。
このような返答は予想していなかったジャンクは
「お・・・お互いがんばろう」
という答えしか返せなかった。
「ナンバー9、用意してください。」
と、アナウンスが入った。
「行ってくるか・・・ぜってー倒してやる」
そうつぶやきながら受験会場へ向かった。
ACスーツをきて、コックピットに乗り込むと、指が震えてきた。
「武者震い・・・か」
そういい残すと、ゲートをくぐった。
抑揚のないCPUの声・・・
「この試験での制限時間は3分、がんばってください。
それでは・・・開始」
開始と同時にジャンクは初期機体でOBをふかした・・・