4章

ジャンクは初めて自分のガレージに入っていった。
この前のミッションの用意はRSの仮倉庫で済ませていた。
「おぉ〜すげ〜〜」
そこはまるで要塞のようだった。ACが3体ゆうゆう入るほどの大きさ。
アセンブルコンピューターやアーム、更衣室、メインコンピューターなどの
設備。見るもの全てが新鮮だった。
「まずなにやろうかな〜そうだメールメール!」
ジャンクはメールを開いてみた。
新着メール3通
 
 RS本部・・・1
 ゼン・ストロイン・・・1
 ゼルフ・・・1

「まずはRSからだな。」
 
 RS本部
レイヴン試験合格おめでとうございます。ならびに初ミッションクリアおめでとう
ございます。
これからは貴方が自由に企業と契約を結び、ミッションを行うこととなります。
アリーナ登録につきましてはまた後日連絡いたします。

「なるほど、おきまりの激励か・・・」

 ゼン・ストロイン
いちおう連絡してみた。
この前にも話したが『超化』だが、調べてみるとほかにも神鷹目という特殊な能力が
あるらしい。自然と身につくものらしいが・・・くわしくはわからん。
まぁこれからともにミッションをやることもあるだろう。そのときはよろしく。
それと、黒一色のACの軍団にはくれぐれも気をつけろ。

「黒一色?まぁそんなのどうでもいいや。なんかのグループだろ。」

 ゼルフ
レイヴン合格おめでとう。君が受験するときの試験監督だ。
君の実力には正直驚いた。もちろんゼン君にもね。
それと、このごろテロリストの動きが活発化している。
そのため、これからは各企業からの依頼が大変多くなるだろう。
君の活躍を期待している。

「これで全部か・・・いまだテロリストが活発だとは・・・巨大なバックボーンが
 いるんだろうな。」
まだジャンクには依頼が来ていなかった。そのためジャンクは早めに就寝した。

AM7:00
ジャンクは目を覚ました。メールが来ているのをあらわすランプが光っている。
目をさすりながら、メールをみる。
 RS本部・・・1
早速ジャンクはメールを開いてみた。

 RS世界情勢
昨夜0:00分に詳細不明のテロリスト「CROWN」からミラージュへの布告
これに対し、ミラージュ側は「全力で挑む」と明らかに戦う意向である。
ミラージュは早速キサラギと手を組み、早々と準備を始めている。
今後クレストはどう動くのか?そして他のテロリストの動きも気になるところだ。

「何だと!?トップの企業にテロリストが布告?」
ジャンクは急いで契約画面を開いた。もちろんそこには依頼が殺到している。
報酬が少ない新米レイヴンではこのようなケースの場合、非常に重宝される。
「みんな報酬低いなぁ・・・あっこれ高い。」
ジャンクは一番報酬の高いミッションを選んだ。
  
    CROWN幹部部隊襲撃
  依頼者         ミラージュ
  ミッションレベル      C
  場所           ネイル荒野
  敵勢力         CROWN幹部部隊
  詳細          このミッションは複数のレイヴンに参加
               してもらっている。その上わが社の専属レイヴンも 
               参加しているので、簡単なはずだ。
  報酬  契約金8000c   ミッション成功金22000c
 
「複数のレイヴン参加か・・・余裕だろ。相手はテロリストだろ。」
ジャンクは機体の右腕武器をエネルギーライフル、脚部を高性能中量2脚に換えた。

ネイル砂漠には6人のレイヴンが参加していた。そのなかにゼンもいた。
「君たちにはこれからCROWNの幹部部隊に襲撃をしてもらう。
 3チームに分かれて行動してくれ。」
ゼンとジャンクは同じチームにはなれなかったが、ジャンクはミラージュの専属
レイヴンと一緒のチームになった。
ミッションの開始の号令と同時にジャンクのチームは敵の本部へ向かっていった。
もちろんそのまま本部へ到達できるわけはない。
途中で4脚ACが現れた。
「ミラージュの襲撃部隊か・・・ここで死んでもらう。」
敵と向き合いながら、味方の専属レイヴンが話しかけてきた。
「落ち着け。2体相手に勝てるわけがない。お前は左から攻めろ。」
ジャンクはその指示に素直に従った。
2匹の鴉が1匹の鴉に襲いかかった。
戦闘が開始したが、敵ACは明らかにミラージュ専属ACしか狙っていなかった。
先に一体倒してから2体目に取り掛かるつもりだろう。
確かに、専属レイヴンは強い。しかし、相手のレイヴンのほうが上をいっていた。
「くそっ!ここでまけるわけにはいかん!」
専属レイヴンは声を荒げた。
それでも敵ACは冷静に専属レイヴンの機体を攻撃している。
援護射撃をしていたジャンクだが、開始1分足らずで専属レイヴンは崩れた。
「つぎはお前か・・・」
敵ACの装甲はかなり削れてはいたが、レイヴンの声には迫力があった。
「ふん!負けるかよぉぉ!」
ジャンクの『超化』。
「まさか、『超化』!?」
敵ACは残った弾をジャンクACにばら撒いていたが、ジャンクは弾幕を気にせず
敵ACに突っ込む。そして2度の斬撃。
敵は崩れた。
「ふぅ、これでかたずいたか・・・」
遠くで爆発音が聞こえる・・・
「まだいたか!倒してきてやる!」
ジャンクは全速力で音のするほうへ向かっていった・・・
そこには無残にも破壊されたACが3体も転がっていた。
そして2匹の鴉が向き合っていた。
傷だらけの鴉と、無傷で巨大な鴉が・・・