6章
そこは巨大なガレージだった。古いものらしく旧型のメインコンピューターやアームが
ある。そしてその部屋の中央には・・・
「A・・・C!?」
まさしくそれはACだった。そしてその鋼の巨人は3人並んでこちらを睨んでいた。
1番右のACはすでに使えそうもないような旧型のAC・・・
2番目はなぜか見覚えのあるAC、だがそのACは一世代前ぐらい前の機体・・・
そして最後のAC、今まで見たことのないようなパーツで埋め尽くされていた。
いまだ新品のような光沢、美しいフォルム、そして機体から発せられる・・・オーラ・・・
メインコンピューターに移っている文章。
「ようこそ、私のガレージへ。ここのACをご覧になっただろうか?右から初代AC、
私のAC、そして今回君に受け渡されるACだ。一番左のACに乗ってくれ。
テスト会場は用意してある。」
正直ジャンクは驚いていた。すべてが計算されている。俺に受け渡すAC?
それにテスト会場?なぜここまでやる?
目的もわからないままジャンクは、例のACに乗り込んだ。
「・・・ガ・・・ガガ・・・テ・・ストモード起動します」
先ほどまで存在すら気付かなかった奥のゲートが突然開く・・・
ジャンクはゲートの奥の物体に目を向けた。
「なんだよ・・・あれ・・・」
テスト用のMTなのかもしれない、だがACにも見える。
ジャンクがその部屋に入った途端、その物体は起動し始めた。
ジャンクは自機の詳細を見た。
R武器 FEX−750ER
L武器 XCM−SUNRISE
肩武器 CM−LAZE
TK−8−SR
EN 98000/150000
ブースター出力 42000
この武器は武器マニアのジャンクの脳みそにも存在していなかった。
「カスタムパーツか?それとも新型?」
ジャンクは武器に気を取られていて、下の方まで目が行かなかった。
「早速はじめますかぁ!」
ジャンクは勝負を仕掛けた。
敵も攻撃を始めた。標準的なライフル攻撃。
「こんなの余裕で避け・・くっ!」
「・・・なんなんだこのGは?」
並の人間がACパイロットスーツを着て耐えられるブースター出力はだいたい10000前後。
このような出力はまず普通のブースターではありえない。
「これじゃまともに動けねぇじゃねぇか!」
「この野郎!ちょこまか動きやがって!!」
ジャンクは右腕武器を発砲した。真紅の細かい光線が敵に向かって連続発射される。
「これ・・・ENマシンガン!?ENライフルじゃないのか?」
ジャンクは武器が全てEN兵器だと悟った。
「これじゃENがもたない。まじでやばいぞ。ん?」
しかしENは減っていなかった。この圧倒的なEN回復力・・・
「ったくなんなんだよ。このAC!!!このぉ!」
ジャンクの『超化』。
ジャンクはもうなにも感じなかった。体にかかるG、敵の攻撃、自機の損傷箇所・・・
ジャンクの脳には目の前の「目障り」なやつを倒すことしか頭になかった。
気がつくとそこには動かなくなった変形型MTが無残にも転がっていた。。
「勝った・・・らしいな。それにしてもこの機体・・・」
ジャンクはその機体で自分のガレージに帰っていった・・・独り言をつぶやきながら、
「今日は・・・面倒な一日だった。」
誰もいなくなった例のガレージのメインコンピュータにはあらたな文が浮かび上がっていた。
変化