7章

翌朝メールが届いた。極秘のメール・・・

「んぁ。メールかぁ」
まだ完全に眠気がとれないままパソコンに向かった。
「・・・総・・・攻撃?」

各地で戦闘を展開しているテロ組織「CROWN」から各企業に声明があった。
内容はこのとおりだ。
「48時間後に総攻撃を開始する。」
いまだ届いている情報はこのとおりだが、各企業はこれに対しそれほど敏感に
なっていないが、これから戦闘が多発することはさけられないであろう。

「・・・クリエイター?」

おそらく既に知っているとは思うが、
明日企業に総攻撃を仕掛ける。
全てのレイヴンに告ぐが、勝つのは私たちだ。
どちらに協力するかは自由だがな。

「・・・」
ミッション画面には2つの点が点滅してる。
ひとつは企業、ひとつは組織。
当然企業の方が報酬は高い。
企業の方が報酬が高く、勝利する確立が断然に高い、
そのためジャンクは企業を選んだ。

CROWN勢力殲滅

依頼主       ミラージュ、クレスト、キサラギ
ミッションレベル        A
場所            CROWN地下基地
敵勢力           不明
詳細       先刻、企業に声明があったテロ組織「CROWN」
          の勢力を一掃して欲しい。
          このまま野放しにしておいては、危険であるし、企業のメンツもたたない。
          そこで今回はCROWNの本拠地とされる地下基地を襲撃してもらいたい。
          当然CROWNもこの事態を予測しているはずだ。
          そのため複数のレイヴンに参加してもらう。

「ふぅ、やってやるか。だがやつに勝てるのか?」
ジャンクにはこれが運命のミッションになるとは思ってもいなかった・・・


PM2:30・・・
「これから君たちにはこの地下基地を制圧してもらう。
 各機聞こえるか?」
「こちら、サイキッカー、OK」
「アークロイヤル、OKだ」
「こちら、乱丸、OK」
「こちらルドルフ、大丈夫だ。」
「MIST OK」
「こちらゼン、OK」
「WC223G5  OK」
「こちらジャンク、OK!」

その地下基地には複数のレイヴンが潜入していた。
当ミッション専属オペレーターが的確な指示を出す。
「ジャンク、32Tを制圧してくれ。」
「OK。」
予想外に広い基地であった。ここでなにをしていたのか。理由はまだ
わからない。
敵が少ない・・・なにかおかしい。
先ほどから足止め程度の無人ガードメカのみ。
ジャンク専用ACとってはただの虫けら同然。

「32T、制圧完了。」
「よし、次はゼンと合流し34〜38Tまで制圧してくれ。そうすればあと少しで中枢だ。」
「Ok!」
他のレイヴンも制圧完了の声があがる。

「よぉひさしぶりだな。ゼン。」
「ふん、機体を変えたようだな。ちょっとはましな機体になったか。」
ゼンの機体はレールガン、カスタムブレード、ENライフルを装備した中量2脚。
バランスタイプだ。

「さぁ行くぞ。少々物足りない雑魚ばっかだがな。」
ゼンも気付いているのだろうか?この異常なまでに少ない敵の数。

「36T制圧完了!あと2つか・・・」
「いくぞ37T。」
普通の大部屋のようだった。しかしひとつ変わった事と言えば・・・
「回線が・・・繋がらない!?」
いままで聞こえてきたオペレーターの声や他レイヴンの声が一瞬にして
聞こえなくなった。

「なら2人だけでやってくしかねぇな。」
そう言っても聞こえない。お互いの行動だけで、全てが決まる。
37Tは敵が発見できないのでジャンクとゼンは無言で38Tにつっこんだ・・・




「ふん、2体だけか・・・。もう少し来るとは思っていたがな。」
「先ほどの部屋だな。たまたまこいつらは例のMTなしの部屋だったんだな。」
「まぁよいここで仕留めてやる。」

罠・・・このミッションの仲間であったレイヴンが今目の前で敵となっている。
回線は復活したがオペレーターの声は聞こえない。
「くっ罠か。」

そこは巨大な部屋だった。ちょうどニング研究所のあの部屋のような・・・
ふいに敵ACが3体並んでいる後方のゲートが閉まりかけているのに気付いた。
「無駄だ。そこのレイヴン。このゲートは直接CREATOR様に繋がっているが、
もう間に合わん。ここで終わり・・・」

ジャンクはもうOBを点火していた。
「バカな!ふん、止めるぞ!!」
集束された光線が目の前を通る。
「なにっ、」
「おまえらの敵は俺だぜ!?」
ジャンクの行動を読み取ったゼンは言った。
「このっ野郎が!くっ、もう一機は?」」
ジャンクは既にゲートを通り過ぎていた。


「まぁよい。凡人があの人に勝てるわけがない。馬鹿めが!!」
「それにしても貴様、一人で3人倒す気か!?ぇ!?」

「もちろんだ。そのつもりでいる。」

それは友を信じ、死を覚悟したレイヴンの目であった。