9章

あのミッションから2年がたつ。
あれが人生最後のミッションになるとは思っていなかった。

俺は引退した。
レイヴンを。
もうできない。そう思ったからだ。
あのミッションで左腕を失った。
いまは義手だ(最高の技術をつかって作られている)

たなみにあのとき最後に駆けつけてきてくれたゼンは
いまだアリーナでS-1という座を譲らない。

今日は久しぶりにアリーナでも見に行こうかな。

今日の試合はなんだっけ?
まぁだれでもいいや。
ちょっと昔の気分に浸りたいだけだから。

見上げるとそこには空があった。
雲がない、久しぶりにいい天気だ。

鴉が一羽飛んでった。不吉感などまったくあたえないような優雅な飛び方で

おれもまたあの黒い翼でこの空を飛んでみたいなぁ
あのときのように